Out of Rosenheim(バグダッド・カフェ)

初上映から20年近く経った映画「バグダッド・カフェ」が"ニュー・ディレクターズ・カット版"として、更なる美しい映像で12月5日から再度スクリーンに登場するというニュースをネットでみつけた。ジェヴェッタ・スティールが歌う主題歌の「コーリング・ユー」は、実に多くのアーティストがカバーしている。

映画のストーリーは・・・ミュンヘン郊外の田舎町ローゼンハイム(原題の"Out of Rosenheim"はこの事みたい)からアメリカに観光旅行にやってきたミュンヒグシュテットナー夫妻は、ディズニーランドからラスヴェガスへ向う車中で夫婦喧嘩になり、怒った妻のジャスミンは夫と別れて車を降りてしまった。このジャスミンはかなり太っている(笑)重いトランクを必死に提げて歩いて、やっとでたどりついたのは、さびれたモーテル兼カフェ兼ガソリンスタンド“バグダッド・カフェ"だった。そこにはブレンダという女性オーナーを含めて、実に様々な、ちょっと(かなり?)変った従業員や隣人や客人たちが(?)いた。行くあてのないジャスミンはそこにやっかいになる事にするが、そこからジャスミンを中心にすったもんだが始まる・・・(笑)

真っ青な空の下で貯水タンク(?)を柄の長いブラシでゴシゴシと洗うジャスミンがポスターになっているのが印象的なこの作品。クスっと笑えて、とてもハートウォーミングなストーリーだった。そして私はこの映画と曲から思い出す事がある。

昔、当時の近しい関係の方の葬儀で、諸事情から私は1人で受付を任された。故人とは亡くなる3日前に思いがけず対面していて(ほぼ寝たきりでいらしたのもその時に知った)、会話もままならず、あまりにも弱っておられたので、「こりゃ大変だ!」と自宅に戻ってから速攻で激励の手紙を"特大文字"でしたためて、お守りを同封して送った。その3日後に訃報を聞いて、とても動揺した私はその手紙の事はすっかり記憶からすっ飛んでしまっていた。

それは11月だったのだけど、すばらしい晴天でとても暖かい日だった。弔問客の受付がひと段落ついた時、既に葬儀が始まっていたので読経が聞えていた。受付のテントの下でパイプ椅子に腰掛け、気分転換のフリスクを口にほおりこんだ。そしてあまりにも空が青く澄んでいたので「バグダッド・カフェ」のポスターをふと思い浮かべて、頭の中では「コーリング・ユー」がかかっていた。

すると私に中に入るよう呼びに来た故人の身内の人が、ちょっと間を置くのに私の横に座った。その彼とは個人的に気まずい関係だったので、なんだか沈黙がイヤで「空がすごく青いから、映画のバグダッド・カフェ思い出しちゃった」と言うと、彼は「ああ、あれね」とボソっと言った。そして記帳台に置いてあった私のフリスクを見つけると、「ちょっと貰うよ」と言って私の返事を待たずに口に入れた。それからすぐに二人で受け付けを離れて葬儀へ参列した。

出棺前にお別れで棺を覗いたら・・・開封されることがなかった私の手紙が、ご遺体の頭の所へ置かれていた。それを見た瞬間、涙がどっとこぼれてしまった。その手紙に同封したお守りは「ウォリアー・ドール」(という名前だったと思う)という、グァテマラかどこかのすごく小さな人形の形をしたお守りで、枕の下に置いて眠って、翌日それを燃やしたら悩みや病気が消えるというお守りだった。

出棺になり霊柩車を見送っていたら、頭の中でまた「コーリング・ユー」がかかり出した。「天国で手紙を読んでくれるかな?お守りも結局は燃やす事になったのだから、安らかに天国に旅立ってくれたらいいな」と思った。そんな出来事から、私は「コーリング・ユー」を聴くと、あの日の"青空""フリスク""お守り""手紙""故人"をセットで思い出す。まるでドラマのようだけど・・・もう15年ぐらい前の出来事なんだ。。。そうかぁ。。しみじみ。




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紀伊國屋書店
2003-04-25

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  • Jevetta Steele 「Calling You」

    Excerpt: 名作といわれる「BAGDAD CAFE」の挿入歌で、聴いたことある人は結構多いと思うけど、自分は最近知ったのでまだ映画の方を見ていません(´Д⊂) 映像とかもなんか雰囲気がいいね.。゚+.(.. Weblog: 2ちゃんねらーのカラオケ屋さん racked: 2010-06-21 06:14